◉亘理郡山元町/徳泉寺
東日本大震災犠牲者供養塔

祈りの道しるべガイドマップ

 徳泉寺は沿岸部からわずか300mに位置する。大津波により檀家200軒とともに、本堂はもとより伽藍、仏具などがすべて流出し、現在も災害危険区域のため居住することが出来ない。震災からおよそ1ヶ月後、寺から数キロメートル離れた場所で本尊のお釈迦様だけが無事発見された。どんな災難に遭っても人々の支えになろうとする一心で踏みとどまったご本尊は「一心本尊」と名付けられ、徳泉寺再建の機運が高まった。
 徳泉寺は、中浜地区に千年塔を建立した徳本寺の第5代が開いた、いわば親戚関係にある。その徳本寺に徳泉寺の復興委員会が置かれ、平成24年3月に「一文字写経」の活動が始まった。願いを込めた一文字を記したはがきとともに納経料を納めてもらい、再建資金にする仕組みである。
 檀家74名が犠牲になった。幸い墓はそれほど流されなかったため、その場で建て直すことができた。墓まで無くなっていたら、本当にみんなが離れ離れになってしまうところだった。境内には石材店が寄贈した慰霊碑とプレハブの事務所が建っており、土盛りした場所に本堂を建てる計画が進んでいる。平成29年の春に着工して、平成30年の夏頃まえに完成させる予定だ。まだ資金が足りないので「一文字写経」を続けている。
 HPかFAXで申し込むと、納経用のセットが送られてくる。寺は人々の心の拠りどころだ。住むことが叶わなくとも、祈りの場を再建することが、人々の心の再建につながると思っている。


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