◉東松島市/功岳寺
東日本横死者諸精霊供養塔

祈りの道しるべガイドマップ

 海水は水路を遡って、山門の前まで来た。近くの小学校と中学校が避難所になったので、そのそばにある民家で、得意の料理で炊き出しをしていた。疲れが溜まると酢のものがいいが、酢が苦手な人もいるから酢味噌にしたり、調味料が減ってきた時には大量にいただいたイワシを梅酒で炊いて「美味しい」と喜んでもらえた。電気が通り弁当が配給されるようになる3月28日まで手伝い、その後は三重県曹洞宗青年会がサポートにあたった。
 ここ東松島もまた、火葬が出来るようになるまで仮埋葬(土葬)が行われた。800番台まで番号が付いていたという。泥のついた遺体を火葬すると炉がだめになってしまうため、荼毘に付す時には地元の葬儀社が丁寧に遺体を清め、納棺してくれていた。よくやってくれたと思う。
 裏参道の入口に建っている舟形地蔵尊が慰霊碑だ。身内を失くされた方から寄贈された。その隣には本山からいただいた千年桜がある。千年の間花を咲かせる桜だという。
 震災後にあるお寺で合同葬儀が行われた際、遺族が語りかける「お別れの言葉」は、どれも悲しみの中で遺族として生きる誓いのような言葉だった。供養とは何だろうかと考えた時、生き続けることの誓いが供養なのではないかと感じた。

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