◉福島市/安洞院
東日本大震災慰霊塔 祈りの広場

祈りの道しるべガイドマップ

 福島市には、飯舘村や浪江町からの避難者が多い。沿岸部からは離れているが、福島市にいても、被災した場所や故郷を思う場所、避難している方々の心の拠りどころになる場所を作りたかった。
 安洞院の慰霊塔は、復興を願い、死者を弔い、地球との共生を考えることをコンセプトにデザインされている。中央の黒い部分は犠牲者の御霊、両脇を支える部分は現世に生きる者の姿、そして頂上の球体が私たち人類のふるさと地球を意味しているという。一人ひとりの願いが、この福島の地から彼の世界へと届き、悲劇を繰り返さないという決意で地球とともに生きて行く祈りを表している。東堂の発願により、約500名の浄財を募り建立された。
 また、寺で行われているイベントなどの収益を、福島県の「東日本大震災ふくしまこども寄附金」に寄附している。震災で被災した子どもたちが全員成人するまで続けようと思っている。  震災後墓を修繕あるいは移転する際に、「〇〇家の墓」が増えたと感じている。一時期「心」や「和」など自由記述が多かったものが、震災を機に家や家族というものに対する価値観が戻ったのかもしれない。家族が全国に散り散りになっている福島だからこその、先祖を祀ることや血縁への思いの変化を感じている。

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