◉仙台市若林区/東六郷小学校跡
東日本大震災慰霊之塔

祈りの道しるべガイドマップ

 2㎞離れた海沿いにある松林が、まばらになっていくのが見えた。同時に、松林を超える高さの波がこちらに向かって来た。校庭は避難して来た車でいっぱいになっていた。津波に気づいた人たちは、当初避難していた体育館から校舎2階へ避難した。東六郷小学校に津波が到達したのは3時50分頃だった。
 小学校に避難した人は470名くらい。備蓄していたクラッカーを夕方配ったが、毛布が足りず、子どもとお年寄り優先で配布し、あとはカーテンなどで凌いだ。みんな濡れていたので、体温がかなり下がっていた。救助されたのは翌朝の9時頃だ。自衛隊と福井県警が来てくれた。最初に体調の悪い人、乳幼児とお母さん、子どもたちと順次避難させ、最後に町内会長と校長が校舎を離れた。
 この地区で犠牲になった住民たちのために、六郷地区の町内会合同で慰霊碑を建てることにした。当初は、同様に被災した東六郷コミュニティーセンターの敷地にあったが、建替えのため東六郷小学校の校庭に移された。その小学校も、平成29年4月から六郷小学校と統合されるため、3月末で閉校となり29年度に校舎は解体される。今後この場所がどのように整備されるかは正式には決まっていないが、整備後はこの慰霊碑のそばに、もうひとつ市の慰霊碑も建立される予定になっている。
 東六郷コミュニティーセンターは、平成29年の春に小学校跡地の隣で再開予定だ。少子高齢化が進む地区ではあるが、ここを地域の新たな交流拠点にしようと、住民たちは頑張っている。

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