◉宮古市/常安寺
東日本大震災物故者供養塔

祈りの道しるべガイドマップ

 常安寺は天正8年(1580)に、今より約1km南西の閉伊川に近い場所に建立されたが、約30年後の慶長16年(1611)、慶長三陸大地震・大津波で流出。寛永2年(1625)に現在の場所に再建された。
 今回の地震発生当時、寺にいた住職は約20分後、避難所に指定されている鍬ヶ崎上山にある会館の鍵を開けるべく車を走らせた。高台に登り切った時、津波が見えた。埃が横一列に煙のように上がり、それと同時に家が動いていった。あとに続いた車はなかった。すぐ後ろまで、波は迫って来ていた。
 11日の晩には本堂に170~180人、保育所にも園児たちが避難し、約40日間避難所となった。亡くなられた檀家は、まだ発見されていない方々も含めて81名。自らの体験も踏まえて、みな紙一重だったのだとの思いがあった。だからこそ、少しでも早くより多くの方々にご供養していただこうと、平成24年3月11日に一周忌法要と慰霊碑の開眼法要を行った。正面には81名一人ひとりのお名前、そして裏面には震災の記録とともに住職の手による碑文が刻んである。

「碑文」
この惨禍、永遠に忘れる事なかれ
津波予想あるときは
直ちに高台に避難せよ

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