◉岩沼市
千年希望の丘
震災当時、岩沼海浜緑地内にあった高さ約10mの丘に3名の方が避難し、難を逃れた。その時の津波の高さは約8mに達したが、丘の頂部は津波の浸水からまぬがれ、まさしく“いのちを守る丘”となった。
東日本大震災に伴う大津波により、岩沼市域の約48%が浸水した。岩沼市民150名の尊い命を奪い、全壊736戸と大規模半壊509戸を含む家屋被害5︐428戸という過去に例を見ない極めて甚大な被害をもたらした。
海岸沿いの相野釜、藤曽根、二野倉、長谷釜、蒲埼、新浜の6地区は、この災害により壊滅的な被害を受けたが、その住民は、玉浦の再生を目指し、生活再建の一歩を踏み出すため、旧集落のつながりを維持しながら、新たなまち「玉浦西」への集団移転を行うことを決めた。
市では、東部地区沿岸に、津波発生時の避難場所、津波威力の減衰、震災の記録や記憶の後世への伝承、そして、未来永劫、持続可能な岩沼を象徴する場として、「千年希望の丘」を築造し、慰霊碑を建立した。
また敷地内には、NPO法人「被災地に届けたい『お地蔵さん』プロジェクト」による地蔵尊3体も平成28年に建立された。宮城県内では5ヶ所目の建立となる。