◉釜石市
鵜住居地区 防災センター跡地慰霊堂

　平成22年2月に開所した鵜住居地区防災センター。「防災」の名のとおり、地域住民の避難訓練の場所として利用されていたが、ここは津波注意報や警報が発表された時に避難する1次避難場所ではなく、中長期の避難生活のための拠点施設だった。本来避難すべきは、もっと高台にある寺院だった。
　大きな揺れのあと、地域住民はこの施設に避難して来たが、この場所にも津波が押し寄せたため、約200人が犠牲になった。釜石市は焼香台などの追悼施設を平成25年8月に設置し、センターを解体したが、復興事業の地盤かさ上げ工事の対象地区になったため、平成27年2月に内陸側へ約250ｍ離れた、ここ常楽寺下の敷地に移された。
　周囲には復興の槌音が響く。平成31年のラグビーワールドカップの会場もこの近くに建設される。かさ上げが完了したら、この周辺は追悼公園「祈りのパーク」として整備されるが、完成時期は当初予定から2年遅れて平成31年2月末になる見込みである。