◉栗原市/柳徳寺
達磨大師像
栗原市は、国内観測史上最大の震度7を記録した土地だ。それはまさに「立っていられないほど」の揺れであり、度重なる余震に子どもたちは家のなかにいることを嫌がり、本堂は約2年間使えなかったという。
達磨大師像は、中国河南省の嵩山少林寺から贈られたものである。柳徳寺の荘司和成東堂が少林寺友好協会の会長を務めていた縁で、平成24年に日本禅画家協会の仲介により中国側から贈られた。台座には、少林寺から達磨大師が座り続けた達磨洞までの道沿いの石を用い、嵩山少林寺をイメージして造られたという。達磨大師は「七転八起・だるまさん」の愛称でも親しまれており、これからの復興への象徴的なものになればとの思いも込められている。
ライフラインが断たれた震災直後、近所の人たちが蝋燭をもらいにお寺にやって来た。また亡くなった人たちを偲んで、各地でキャンドルナイトが行われるようになった。蝋燭の灯りは、亡くなった人たちが迷わないようにする道しるべだ。まだ見つかっていない人も大勢いるから、日本一大きい蝋燭を作ろうと考えた。呼びかけに、震災当時に使った蝋燭など約2tが集まり、檀家や近隣住民、被災地から訪ねて来た人みんなで直径1m、高さ2m、重さ1︐370kgの蝋燭を作った。これだけ大きいものを作れば、まだ見つかっていない人たちも、きっと迷わないに違いない。