◉陸前高田市／龍泉寺
東日本大震災被災物故者供養塔ご位牌

　平成28年12月10日にようやく仮設の本堂が完成した。これでようやくプレハブでなく、七回忌の法要ができる。
　「奇跡の一本松」が見える龍泉寺周辺は、現在海抜12・5ｍのかさ上げが行われている。寺はすべて流出した。波は本堂の屋根を超えたので13～14ｍだったと思う。出先から車でここに戻ると同時に波が来た。あと1分でも遅かったら、ここに登る途中で波に呑まれていたと思う。檀家では135名が犠牲になった。
　檀家の7割が仮設住宅にいるため、本堂の再建はまだこれからだ。震災の翌年の役員会で、具体的なことは4～5年後に考えることになった。このあたりの地域は、寺の上に造成してる土地に移転する。その土地の引渡しが平成30年の夏以降なので、寺もそこに建てる予定だ。ようやく具体的な話をするところまでたどり着いた。
　境内に天然記念物になっていた樹齢約400年のヤマモミジがあった。塩害で枯れてしまったが、その枝を持ち帰り接ぎ木して育てていた人が連絡をくれた。本堂が完成したら、ヤマモミジも再現したいと考えている。
　仮本堂が開いている時は参拝可能だが、今はまだ大船渡からここに通っている状態なので、毎日居るわけではない。いずれ復興させるので、寺が建立される数年後を待っていて欲しい。