◉相馬市/慶徳寺
東日本大震災被災物故者供養塔

祈りの道しるべガイドマップ

 東日本大震災被災物故者供養塔第11番建立寺院

 あの年は、あっという間の1年だった。地震が起きた時は仙台にいた。車で7時間かけて帰ってくる途中、名取川の橋の上から真っ黒い水が川を遡ってくるのを見た。15日に原発の事故を受け、市内の病院に入院していた祖母を連れて福島市へ、そして祖母の受け入れを申し出てくれた群馬県の高崎へ避難した。5月末にはこちらに戻って来たが、9月に亡くなった。妹の嫁ぎ先の浪江の家の祖母は、避難先の喜多方で6月に亡くなった。避難生活が命を縮めたのかもしれない。相馬市は5月の連休明けには学校も再開。寺も瓦が全部落ちた本堂や庫裡の修復はお盆前に全て終わり、お盆の法要も無事務めることができた。
 供養塔は山門を入ってすぐの左手に、海を向いて建っている。花立と線香立ても付けたので、お盆やお彼岸などのお参りの多い時にはここにも手を合わせてもらうよう、蝋燭を立てて線香も用意している。相馬でも500名くらい亡くなっていて、日曜日などにもお参りに来る人は多い。檀家では3名が犠牲になった。1名は20歳。1ヶ月近く経ってからご両親が見つけた。自分たちで探すのはこれで終わりにして、あとは警察や自衛隊に任せようと決めていた最後の日だったという。いろいろなことがあった。一時行方不明扱いで新聞に家族全員の名前が載ったりもした。今は生活も落ち着いている。

祈りの道しるべガイドマップ

青森県
岩手県
宮城県
福島県