◉石巻市/観音寺
祈りと供養のしるべ 慰霊供養塔
被災地で桜の植樹に取り組んでいる社団法人によって建立された、犠牲者の慰霊と復興を願うモニュメントだ。観音寺裏山に整備された「鎮魂の桜の森」に設置された。石巻は、被災3県の沿岸直線400kmの中心に当たり、また震災の犠牲者の3分の1にあたる約6︐000人が亡くなっている。この場所は大川小学校から6kmの位置にある。
半円形で直径3m、高さ1m。本体に使われている雄勝石は、解体された家屋で使われていたスレートなどを使い、犠牲者の数と同じ1万8︐483枚を重ね合わせている。中心の部分は鏡面仕上げのステンレス盤で、周囲の空や桜が映り込む。観音寺のある河北地区でも、多くの人が亡くなった。慰霊塔内部は納骨堂になっており、津波で墓が流出し再建出来ない方々のための納骨スペースになっている。
鎮魂の桜の森は公園として整備され、被災した子どもたちを対象とした寺子屋「子どもの心のケアハウス」や森の見晴らしとりで、ウッドデッキ、ターザンロープなども備えられている。桜の森は震災の記憶を後世に伝えるとともに、子どもたちを育み、魂を鎮める場所となる。